前置詞を伴う関係代名詞

自動詞が目的語を従える場合、その目的語の前に前置詞が必要になることがあります。

その目的語が関係代名詞になると、前置詞は関係代名詞の直前に置かれたり、関係代名詞節の文尾に置かれることになります。

制限用法の場合

◆ 前置詞を関係代名詞の前に置くのは文語的で、関係代名詞節の文尾に置くのは口語的になるという違いもあります。

He is a great astronaut for whom I yearn.
「彼は私があこがれる偉大な宇宙飛行士です。」

= He is a great astronaut whom I yearn for.

さらに、口語では関係代名詞が目的格であっても主格になったり、省略されることがよくあります。

= He is a great astronaut (who) I yearn for.

※ yearn for で「~にあこがれる」という意味で、一つの固まった表現ですから、 for を省略することはできません。

最後の例文を突然どこかで見かけた時は、この for が何なのかをよく観察してみて下さい。

非制限用法の場合

◆ 非制限用法でも前置詞を関係代名詞の前に置いたり、関係代名詞節の文尾に置いたりしますが、関係代名詞を省略することはできません。

The news, at which we were very astounded, didn't go into headlines.
「そのニュースは、我々は大変驚いたのだが、新聞では大きく取り上げられなかった。」

= The news, which we were very astounded at, didn't go into headlines.

go into headlines 新聞で大きく取り上げる

その他

◆ 関係代名詞が that の場合は、前置詞をその前に置いて使うことはできません。

× That is the answer for that I have sought for a long time.
That is the answer that I have sought for for a long time.
That is the answer for which I have sought for a long time.
「それは私が長年探し求めてきた答えだ。」

※ sought はseek の過去形で、 seek for で「~を探す」という意味です。

2番目の例文のように for for と同じ前置詞が重なることはよくありますよ。