仮定法現在とは

仮定法現在には「現在」という言葉が付いているので、一見、現在の状態などを仮定したり、if節の動詞に現在形を使うように思えますが、現在形ではなく、原形を使うもので、現在や未来についての不確実な仮定を表します。

仮定法現在で使われる if節の動詞は原形です。

そこで仮定法原形といったほうが分かり易いのではないかと思いますが、今では if節では動詞の現在形を使う直接法現在が一般的です。

次の英文は仮定法現在ではなく、直接法現在というものです。

If it snows a lot tomorrow, we will have a snowball fight.
「あした雪がたくさん降ったら、僕たちは雪合戦をします。」

これが if it snow となるのが仮定法現在です。

慣用表現として if need be という表現があり、be動詞の原形として be が使われ「もし必要なら」といような訳になります。

要求・必要・提案などを表す場合

◆仮定法が使われるのは If のある英文ばかりではなく、要求・必要・提案などを表す that節でも使われます。that節の should は省略されることもありますが、その場合でも動詞は原形にします。

essential, important, necessary などの形容詞がある英文で。

It is necessary that this old shrine gate (should) be rebuilt.
「この古い鳥居は建て直す必要がある。」


it のある節が過去形になっても that節の時制は変わりません。

It was essential that the military unit (should) depart from that base before dawn.
「その部隊は夜明け前に基地を出発するすることが不可欠であった。」


insist, order, ask, suggest, advise, recommend などの動詞や anxious, concerned, eager などの形容詞がある英文で。

My mother insists that we (should) keep a watchdog.
「母さんは番犬を飼うべきだと主張するのです。」

◆仮定法ではなく直説法として使われる場合もあります。

My daughter insists that she wants to keep a miniature poodle.
「娘はトイプードルを飼いたいと言い張るのですよ。」

Dr.Tanaka advised that she (should) avoid an an excessive diet.
「田中医師は彼女が過度なダイエットは避けるように忠告した。」

祈願を表す場合

◆文語的な表現ですが、祈願を表す文でも仮定法現在が使われます。

Heaven help him!
「天よ彼を救いたまえ!」

God pity us!
「神よ我らを哀れみたまえ!」

God bless you!
「神のご加護がありますように!」

Long live the queen!
「女王陛下万歳!」

May the Force be with you!
「フォースが共にあらんことを!」

これは映画「スターウォーズ」からの台詞です。